キングコング西野さんの話は、いつ聞いても分かりやすい。
分かりやすく話してくれる。こういう風に考えるんだなって参考になります。
なぜVIP戦略を知る必要があるのか?
なぜ、VIP戦略をおさえる必要があるのか。
世界で一番楽しい学校~SA-CUS~ 西野亮廣氏
例えば、貧富の差が激しくなっている問題がある。お金持ちがどんどんお金をもって、お金を持ってない人はどんどんお金を持ってないという差が激しくなる。ということは中間層が減っていることになる。
私たちが、サービスを提供するとき、値段をだいたい一律料金にしていますよね。なんとなく「このサービスってこのくらいの値段だよね」みたいな感じになっていますよね。
なぜ、このようになってしまったのか…。
私の実体験から話しましょう。
日本以外ではドネーション(寄付)という文化が普通にある。富裕層がそうじゃない人に対して施すというのは、富裕層の義務として普通にある。しかし、日本で寄付をしたら、どんな声が上がりますか?
好感度を上げようとしているみたいな、そういった声が上がる。
だから、富裕層からすると寄付するメリットはない。寄付をしたにも関わらず嫌われてしまう。
そういう国を日本人が作ってしまっている。なので、日本では富裕層の人と出会うことはない。
フィリピンでは、スラム街の子どもたちが普通に超セレブと触れ合う。でも、僕たちは富裕層の人と出会うことはない。大人になってからも出会う機会はない。六本木ヒルズの上の人としゃべる機会はない。住む世界が全然違う。
このような分断を誰が作っているか?
「日本人が作っている」
サービスを作るときに富裕層の気持ちが分かんない。このエラーがとても起きている。
富裕層向けのサービスをやろうとすると叩かれる。
サービス提供者は富裕層向けの商品やサービスはあまり出さない。
日本人はサービスの中に、区別・差別を作らない。作りたがらない。
作ると炎上してしまうから、やめておこうというのが日本人のサービス道徳観。
では、日本人のようにVIP向けの商品サービスを作らなかったら世の中はどういう風になるのか?
VIP向けの商品サービスがないサービスとは、いかに残酷でいかに優しくないか!
西野さんが実例で出していたのは、ラスベガスのベラージオホテル。
公開されている客室や外観などの写真を見るだけでも、確かにすごい。巨大な噴水があって、これは15分に1回みられる。これだけで気分は高まるハズ。
ベラージオホテルの1泊のお値段はいくらか?
世界で一番楽しい学校~SA-CUS~ 西野亮廣氏
シングルルーム 15000 円
スイートルーム 2000万 円
このスイートルームは誰でも泊まれる場所ではない。一般人が容易に泊まれる場所ではない。聞いてみたら、2000万くらいじゃないか?広さは200平米くらいじゃないか?って言ってた。だったら、ベラージオホテルは、シングルルームを4つ潰してスイートルームを作った方がいいんじゃないか?って思いますよね?でも、ベラージオホテルはやらない。なぜか!?あとで回収します。
一休.comやTrip.comで調べましたが、確かに安くて1.5万以上。夏だったら2~3万くらい。スイートルームについては、ベラージオホテルのホームページでも分かりませんでした。一般人には容易に泊まれないって言ってるので、調べても分からないのでしょう。 ※ベラージオホテルのことは後述しています※
VIP向けサービスがない世界は優しくない
やりがちなサービスが、いかに残酷で優しくないか !
世界で一番楽しい学校~SA-CUS~ 西野亮廣氏
飛行機は差別がありますよね。東京~ニューヨークまでの片道の値段を調べました。
エコノミー 20万9500円
プレエコ 38万6000円
ビジネスクラス 76万5000円
ファーストクラス 172万4000円
全部席が売れたとすると、飛行機1回飛ぶと、9751万3500円約1億円弱の売上がでる。飛行機は1回1億円の売上がないと飛ばせないビジネス。このビジネスは、日本人が大嫌いな差別区別のあるサービス。
差別区別のないサービスのないビジネスにしたらどうか?
エコノミー席だけにしたときに飛行機というビジネスモデルはどうなるのか?
仮に、東京~ニューヨーク間での片道の価格を調べてみた。
全部エコノミー席にすると、351席準備できる。約100人多く乗ることができる。1人当たりの負担額はどうなるのか?
351席×20万9500円=7353万4500円
エコノミー席で飛行機を飛ばすと約2400万足りない。
追加で6万8316円支払わなければならない。
これは、約7万近くをVIPが負担してくれたってこと。
それにも関わらず、あなたたちはどうか?ビジネスクラス、ファーストクラスの横を通るときに、「あざっす!」って言ったか?言ってないよね。誰も言ってない。あなたたちは、舌打ちする始末。これが、皆さんが作っているサービス。
VIPを作ることで、VIPに負担していただいて、そうじゃない人の負担額を下げて、上手く世の中を回していきましょうってこと。だからVIPは必要。
VIPを作らないと、庶民が負担する金額がすごく増える。20万→27万になったら、結構、金額的なことが気になりますね。こうやって聞くと、西野さんも言われていましたが、税金の考え方に近いような感じもしました。
ラグジュアリーとは何か?
VIPサービスを作るときに押さえておく必要ことがある。
世界で一番楽しい学校~SA-CUS~ 西野亮廣氏
プレミアムとラグジュアリーの違いを理解すること。
ただ単に、「高いものじゃない?」という解像度ではVIPは作れない。
プレミアム=競合がいる中でも最上位のもの
ラグジュアリー=競合がいない商品のこと
プレミアムとラグジュアリーの違いは知らなかった。なんか違う感じはしていたけど。よりおいしい、よりジューシー、より省エネなど、いろいろ商品があるなかで一番優れているものをプレミアムというのですね。ラグジュアリーは、未体験を提供する商品・サービスのことです。
プレミアムとラグジュアリーのことは山口周さんが話していたようです。西野さんの話から、図のようにまとめました。
ポイント➊プレミアムとラグジュアリーの立ち位置の違い
ポイント❷価格面ではラグジュアリーには勝てない。
勝負している土俵が違うから、自分の分野がどの立ち位置なのか?ラグジュアリーを目指しているのか?などよく考える必要はあります。
ラグジュアリー=認知度-普及度
VIP向けのサービス商品を作るならラグジュアリーを狙っていこう。
世界で一番楽しい学校~SA-CUS~ 西野亮廣氏
プレミアムは、なんとなく作り方は分かる。競合にあれこれ勝っていけばいいから。
でも、ラグジュアリーの作り方が分からない。
ラグジュアリーブランドの作り方!
ラグジュアリーは夢。ラグジュアリーを作ることは夢を作ること。
『夢=認知度-普及度』
みんな知っているけど誰も持っていないっていうものが夢である。
つまり、『ラグジュアリー=認知度-普及度』である。
ラグジュアリーの戦い方は、認知度-普及度の値を大きくすることである。
例に挙がっていたのは、モナ・リザと地方の職人さんの話です。
モナ・リザ
モナ・リザの価値は、「値段はつかない」というのが答えだそうです。
モナ・リザの価値が上がった事件があります。それは、1911年にルーブル美術館からモナ・リザが盗まれまた事件です。この事件は世界中に報道され、その結果、世界中の人にモナ・リザが知られるようになりました。幸い、モナ・リザは無事戻ってきました。
『ラグジュアリー=認知度-普及度』でいうと、モナ・リザの価値=70億-1 となりますね。ちょ~簡単な表現の仕方ですけど。
地方の職人さん
地方の職人さんが売り込むときに、「知る人ぞ知る」と言います。
実は、「知る人ぞ知る」というのは全く意味がない。
『ラグジュアリー=認知度-普及度』でいうと、
例えば、5人知ってて5個の商品があるとすれば、5-5=価値ゼロ
私たちが職人さんを応援するときにしがちな失敗があります。それは、いつもよりも多く作ってもらい、それを販売していくような活動です。たくさん作ってたくさん売る、という行動です。これがダメな理由を考えてみましょう。
『ラグジュアリー=認知度-普及度』からすると、認知度も上がりますが普及度が上がってしまい、結果的にラグジュアリー度が下がってしまうことにつながります。本当に職人さんたちを助けようとするなら、認知度を上げるような行動をする必要があります。
再登場ベラージオホテル
ベラージオホテルの話で、シングルルームをつぶしてスイートルームを増やさないの?って言いましたよね?シングルルームを減らすと認知が下がる。スイートルームを増やすと普及度が上がっちゃう、認知度と普及度の差が小さくなってしまう。スイートルームの1泊の価格が下がってしまう。ベラージオホテルがする戦略は、シングルルームを増やすことだけである。
世界で一番楽しい学校~SA-CUS~ 西野亮廣氏
僕は絵を販売している。僕の絵をどうやって価値を上げるか?答えは、完売した作品をシェアすること。誰も買えない状態を作ること。自分の広告費を割くのではなく。ラグジュアリーサービスやラグジュアリーブランドは何のために広告費をかけているか?買えない人を増やすために広告費をかけている。認知度-普及度の値を最大まででかくするために行っている。
こんなこと、知らなかった。ヘタすると、有名になりたいから、新商品をアピールして、いろいろ販売して、認知度あげて…とすると、いつの間にか普及度が上がって価格が下がってしまうという罠に陥ってしまう。こういうことは知っておくに限ります。
西野亮廣さんの書籍
革命のファンファーレ 現代のお金と広告
絵本『えんとつ町のプペル』を作って出版している書籍。現代のお金の作り方と使い方と西野さんが考えるこれからの広告について書かれています。刺激を受けたい、新しい考えを取り込みたいという方にお勧め。実際に、絵本『えんとつ町のプペル』を映画化していることもあり、実績がある方の話は貴重。人には好き嫌いはあるのは当然で、口調が好まない人もいるかも…。
ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある
ゴミ人間とは、日本一嫌われ者だった西野さんのことのようです。映画『えんとつ町のプペル』公開に至るまでに思っていたことを伝えた内容です。ビジネス本でもありませんので、一つのエッセイとして読む感覚です。どんなに叩かれても、バッシングを受けても、夢を追い続けた西野さんの強い心、強い信念が詰められています。
他にもいろいろな書籍を世の中に誕生させています。子どもさんが居られる方には絵本は楽しいかもしれない。
ラグジュアリー=認知度-普及度、という数式に表すと、自分がどんな行動をしたら、どこが変わるか?を理解しやすくなりますね。いろいろな人の話を聞いたり本を読んだりすると、視野が広がるのを実感します。
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