女王の教室 阿久津真矢先生に学ぶもっと早く知りたかったこと~「いい加減目覚めなさい」~

社会人

女王の教室は、天海祐希さんが主人公の超怖い女教師を演じ、学級崩壊、校内暴力などの扱いにくそうな学校の問題を取り上げたドラマです。取り扱っている内容もデリケートでしたので、賛否両論の意見があったそうです。GYAOでやっていたので、私も見ました。「もっと、早く気付いておけばよかった…」と思う部分が多かった。

ドラマを見ることができるのはHuluだけのようです。
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社会の現実

愚か者や怠け者は差別や不公平に苦しみ、賢い者や努力した者はいろいろな特権を得て豊かな人生を送ることができる
それが社会というものです。
人も羨むような幸せな暮らしができる人が何パーセントいるか知ってる?
たったの 6% よ。この国では100人のうち6人しか幸せになれないの。
残りの94%は、毎日不満を言いながら暮らしていくしかないのです。
もし6%に入りたいのであれば、今から努力して、いい成績をとり、いい大学に入るしかないでしょ。

女王の教室 第1話 阿久津真矢

小学生に対しこのような話をしました。理解できる小学生はどれくらいいるのだろうか?
大人になってからなんとなく感じることでしょう。
「6%」という数字がどこから出てきたのか、調べましたが分かりませんでした。
「幸せ」という定義もいろいろ。‘金銭的な幸せ’という意味では、うらやましい生活をしている人はごく一部なのでしょう。

いい大学が人生じゃない!?

ドラマの中の小学生たちも、阿久津真矢先生の言葉に対抗します。
「いい大学に入ることが人生ではないと思うけど・・・。スポーツとか音楽とかさ。」
よくある質問だと思います。真矢先生はどのように答えるのでしょうか?

スポーツや芸術で成功する確率はもっと低いの。一流になる人間は、一流の人間の英才教育を小さいころから受け、血のにじむような努力をしているのです。あなたたちのような凡人に今からそんなことできる?
あなたたちは、もう有名私立小学校からずーっと遅れをとってるんです。
イメージできる?
彼らはこうしている間に、あなたたちが経験したことが無いような裕福な生活をし、決して手にできないような特権やサービスを受けているのです。病気になれば、順番を待たずに診察を受けることができるし、朝から並ばないと手に入れられないようなゲームだって簡単に手に入る。ディズニーランドだって、特別な出入り口から入って、人気のアトラクションに並ばずに遊ぶことができる。
日本という国は、そういう特権階級の人たちが楽しく幸せに暮らせるように、あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っている。
そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでいるか知ってる?
今のままずーっと愚かでいてくれたらいいの。世の中の仕組みや不公平なんかに気づかず、テレビや漫画をぼーっとみて何も考えず、会社に入って、上司の言うことをおとなしく聞いて、戦争が始まったら真っ先に危険なところに行って戦ってくればいいの。

女王の教室 第1話 阿久津真矢

確かに、スポーツや芸術などで成功する人も一握りだということは大人になって理解しました。小さいころにバスケや野球、サッカーなどスポーツをする意味はさまざま。スポーツや芸術で生計を立てようと思うなら、それ相応の努力も必要なのは理解します。ドキュメンタリーで一流選手の並々ならぬ努力を放送していますよね。

裕福な生活をしている人、上流階級の生活をしている人が、ディズニーのアトラクションに並ばずに遊ぶことができるかどうかは分かりません。病院で順番を待たずに診察を受けられるのか?も分かりません。多少の忖度はされていると思いますが…。ここでも阿久津真矢先生の言葉は真実のように思います。

人はなぜ勉強しなければならないのか?

小さいことに「なぜ勉強しなければならんのか?」と思ったことはあります。誰でもそう思う時期はあったと思います。実際、大人になっても勉強しなければならないですよね。

いい加減に目覚めなさい。まだそんなことも分からないの?
勉強はしなきゃいけないものではありません。したいと思うものです。
これからあなたたちは知らないものや理解できないものにたくさん出会います。美しいなとか、楽しいなとか、不思議だなと思うものにもたくさん出会います。そのとき、もっともっと知りたい、勉強したいと自然に思うから人間なんです。好奇心や探求心がない人間は人間ではありません。サル以下です。自分たちが生きているこの世界のことを知ろうとしなくて何ができるというのか?いくら勉強したって、生きている限り分からないことがいっぱいあります。世の中にはなんでも知ったような大人がいっぱいいますが、あんなものは嘘っぱちです。いい大学に入ろうが、いい会社に入ろうが、いくつになっても勉強しようと思えば勉強することはできます。好奇心を失った瞬間、人間は死んだのと同然です。勉強は受験のためにするのではありません。立派な大人になるためにするのです。

女王の教室 第11話 阿久津真矢

勉強する内容も様々。読み書き算盤という基礎学力がなければ、自分の勉強したいことも勉強できないことになります。勉強することで、自分の人生の選択肢が広がるのも事実。SNSで輝いている方々も何かしら勉強し、極めているからこそ輝かしい人生を送っているのだろうと感じます。

現実社会は想像以上に苦しいことがある

阿久津真矢先生は、子どもたちにいろいろな試練を与えます。 試練が良いか悪いかはさておき・・・なのですが。

私があなたたちにした以上のひどいことは、世の中にいくらでもあるの。人間が生きている限り、いじめは永遠に存在するの。なぜなら、人間は、弱いものをいじめるのに喜びを見出す動物だからです。悪いものや強いものに立ち向かう人間なんて、ドラマや漫画の話であって、現実にはほとんど居ないの。大事なのは、将来自分たちがそういういじめにあったときに、耐える力や解決する方法を身につけることなんです。

女王の教室 第11話 阿久津真矢

残念なことにいじめはなくならないのでしょう。誰が悪いという話ではありません。いじめられたときにどう立ち向かうか?その力をどう身に着けるか?をこのドラマでは描出しています。

人を殺めてはならない理由

正解のない問いでしょう。
コードギアス反逆のルルーシュでは「撃っていいのは撃たれる覚悟があるやつだけだ」というセリフが有名です。
ミステリという勿れでは、主人公 久能整が「ただ、秩序のある、平和で安定した社会を作るために、便宜上そうなっているだけ。自分は殺されたくない。自分だけが殺す側に居たい。とか思っているのならそれはまた別の話です。それは単に、人より優位に立ちたいとか、人を支配したいとか、いたぶったら心地よいとか、そういう話。劣等感の裏返しだからです。コンプレックスの裏返し、それだけの話です。どうして人を殺したらいけないんだろう、なんてレベルの話じゃそもそもないんですよ。」という話をします。

阿久津真矢先生はどう答えたのか?

その子は、頭も良くて、人間もできて、身体もできて、クラス中に恐れられていた。その子のターゲットになった子は次々いじめられて、自殺未遂をする子も出てきた。でも、その子は反省もせず、こういったの。
「なぜ人を殺してはいけないのですか?」と。
そう質問すれば大人がちゃんと答えられないことを知っていたのね。だから、私は彼に教えたの。
他人の痛みを知れ、と。
みんな自分と同じ生身の人間なんだ、と。
どんな人にもあなたの知らない素晴らしい人生があるんだ、と。
一人ひとりの人間のもつ家族や愛や夢や希望や思い出や友情を奪う権利は誰にもありません。
残される遺族、苦しみや怒りや悲しみを与える権利はありません。

だから人を殺してはいけないんです。
あなたたちも、過ちを犯すかもしれないから肝に銘じておくのね。
犯罪を犯した人間は必ずつかまります。逃げることができても、一生その呵責に苦しみます。
周囲の人間からは見放されます。死ぬまで孤独です。もう良いことなんて1つもありません。二度と幸せになれません。

女王の教室 第11話 阿久津真矢
とりえあさん
とりえあさん

天海祐希さんの言葉で実際に聞いてほしい。心にグサッと来る内容も多々あります。子どもにとっては刺激の強い内容かもしれません。大人になって理解できる内容も多いです。なんとなく感じていたことを言葉にしてくれている阿久津真矢先生。こんな先生、なかなかいないよな~。

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